スイッチング電源の特徴と選び方

最終更新日 2024年2月23日 by iccimm

スイッチング電源は他の電源装置と比べると出力が安定していて、小型かつ軽量である電源だと言えます。
電力変換効率が80パーセントから90パーセント以上になることも多いため、電力変換効率の高さが求められる場合にも重宝されているものです。
安定した出力であることから、病院や工場、駅などで活用されることも多いと言えます。
このタイプの電源を取り入れたいのであれば、特徴や正しい選び方を知っておくことが大切だと言えるでしょう。

無駄なくエネルギー変換を行うことができる

これを利用すると交流が直流に整流されますが、スイッチングレギュレーターが搭載されているおかげで無駄なくエネルギー変換を行うことができます。
スイッチング電源と言っても全て同じ仕組みではなく、色々な回路形式があることも知っておく必要があるでしょう。
フォワード方式やフライバック方式、プッシュプル方式やハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式などがあります。
採用されている回路形式によって最適な電源容量やコストが違ってきますが、いずれを選ぶ場合でもリニア電源より小型軽量で高効率なものを手に入れることが可能です。

参考リンク:スイッチングトランス

スイッチング電源の選び方

スイッチング電源を選ぶときには、主に6つのポイントから選ぶことができます。

機能

まず、機能から選ぶことがおすすめだと言えるでしょう。
様々な機能が搭載されており、過電圧保護機能や過熱防止保護機能、過不可保護機能などが搭載されているものもあります。
アプリケーション機能としては、正常や故障の表示を行う信号機能や遠隔操作ができるリモートコントロール機能、リモート測定や並列接続機能、他出力機能などから選ぶことが可能です。
必要なものが搭載されていなければ不便さを感じてしまったり、想像していたような使い方ができなかったりする可能性があるので注意が必要だと言えます。

出力電圧

適切な出力電圧から選ぶことも大事です。
搭載するデバイスの電力需要を見極めることが重要であり、電力需要と出力電圧が合っていなければスムーズに運用することができません。
消費電力や電圧、電流について正しく理解して、使用する機器が円滑に運用できるかどうか考えながら選ぶ必要があります。
機器が一定の電力レベルで動作しているかどうか、最小の電力需要とピーク時の電力需要はどれくらいなのか確認しておくと良いでしょう。

電力

電力も適切なものを選ぶ必要があります。
スイッチング電源は耐久性が高いものだと言われていますが、より長く使うためには電力の選び方が重要です。
定格出力の30パーセント以上のものを選ぶと寿命が長くなりやすいので、寿命まで考えながら電力についてもきちんと選ぶようにしてください。
選び間違えてしまうと、長持ちするはずの電源がすぐにダメになってしまう可能性もあるので要注意です。

負荷特性

負荷特性も考えておく必要があります。
モーターやLED、容量性負荷装置の場合は、起動時に突入電流による過負荷が起こる可能性があることを知っておくべきです。
こうしたアイテムを利用する場合は、負荷特性を考慮して安全に使用できるものを選びます。
モーターの場合は突入電流の過負荷以外に、停止時の電圧逆流の問題についても考慮しながら決めることが大事です。
複数のポイントを考慮しなければならないこともあるので、漏れがないようにどのような負荷があるか整理しておくべきだと言えます。

スイッチング電源の使用温度や補助冷却器

スイッチング電源の使用温度や補助冷却器について考える必要もあります。
高温環境下では出力が低下してしまうため、使用する目的や場所によっては空冷が必要となることもあるでしょう。
ファンのないものを選択してしまうと出力が低下してしまい、考えていたような出力を得ることができないという大きな問題が発生する可能性があります。
低出力になるだけではなく、故障を引き起こす可能性もあるので、使用環境の温度に合ったものが選べるようにしておきましょう。

安全性認証やEMC認証への準拠

安全性認証やEMC認証への準拠も重要な判断ポイントです。
場合によっては特定の認証を受けているスイッチング電源を取り入れなければならないので、いい加減に選んでしまうと適切な認証を受けていないという問題に繋がる可能性があります。
性能や機能などを確認することも大事ですが、必要に応じて認証の種類を確認しておくことも大切です。

まとめ

小型軽量で高効率なスイッチングは、このような方法で選ぶことができます。
しかしながら、初めて導入する場合はポイントを押さえていても選定が難しいと感じられることもあるかもしれません。
せっかく購入したものが不適であれば返品の手間が生じたり、買い直しで余計なコストが必要になったりします。
販売会社を頼れば状況に応じた製品を紹介してもらうこともできるので、いざというときには頼ってみることもおすすめです。
とても便利ないアイテムではありますが、満足度を高めるためには適切な選び方をする必要があります。
電源の特徴や選び方のポイントを知り、スムーズに導入できるようにしておきましょう。